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ママの心強い味方「ネウボランドだいとう」

「子育てするなら大都市よりも大東市」。大東市はこの言葉を実現すべく、子育ての環境作りに力を入れている。その中核を担う「ネウボランドだいとう(以下:ネウボラ)」を取材した。名称は福祉大国のフィンランドの言葉で「アドバイスの場」を意味する「neuvola」に由来する。ネウボラは子育て支援、母子健康、家庭教育支援の各事業をシームレスに行う妊娠・出産・子育てに関する総合窓口である。


JR住道駅から徒歩10分ほどの住宅街に市の保健医療福祉施設「すこやかセンター」がひっそりと佇む、ネウボラはその3階に拠点を置く。時代掛かった外見とは裏腹に館内はカラフルで親しみやすい雰囲気。お子さんの写真撮影の賑やかな声が響くなか、大東市福祉・子ども部の神田さんが迎えてくれた。神田さんは家庭児童相談室で児童虐待の問題に取り組まれる一方、ネウボラでの仕事を兼務している。前者においては主に事後的な対応が多く、虐待を未然に防ぐことの重要性を痛感していたという。

そこで利用者の立場から、ライフステージに切れ目のない子育てサポート機関のあり方を市が模索した結果として誕生したのがこのネウボラである。開設3周年を迎えた現在、施設の確かな成長を感じていると神田さんは語ってくれた。


ネウボラの最大の特徴は子どもの年代によって専門スタッフがいることである。0歳から18歳までの子どもが支援対象となる。特に利用が多いのが子育て中のママたちだ。
子育ては心配や不安が尽きない、ネットに書いてある情報が自身の困りごとをすべて解消してくれるわけではない。だからこそ一人ひとりに対して専門知識を持った担当者から的確なアドバイスが受けられるネウボラはママたちの強い味方になっている。また、ママたちだけでなく高校生が来ることもあるという。多感な年頃の彼らはセンシティブな悩みも多い。スクール・ソーシャル・ワーカーや臨床心理士などが丁寧に対応してくれるため、一人で悩む辛さが軽減され、困ったときに頼れるスタッフがいるという安心感も心の支えをもたらしている。

利用者の中には困りごとの相談に限らず、近況報告を兼ねたお喋りのために来館される方も多い。取材ではネウボラ利用者の久保田さんご一家にもお話を伺った。久保田さんは2歳と1歳のお子さんを持つ2児のママで、妊娠届提出時からネウボラを利用している。初めての検診時に職員の方と仲良くなったのがきっかけで通うようになった。育児ノートに記載する体重を測るだけでも、予約不要なので気軽に来れる点がありがたいと笑顔で語っていた。また、ネウボラではコロナ禍でも感染対策に十分配慮したイベントを定期的に開催している。外出自粛が続く中、寝相アートや手形アート等の記憶と記録に残るイベントは貴重である。このようにママたちが本当に欲しいサービスを提供しているのがネウボラである。


「話を聴けばニーズが見つかる」(神田さん)。取材で最も印象的だった言葉である。ネウボラの職員は「お困りごとは何ですか」よりも「最近どうですか」という姿勢で利用者たちと近い距離で相談に乗っている。そのため利用者は自発的に訪れやすく、結果的に困りごとの抑制につながっているのである。


最後に今後の課題を伺った。一つはネウボラの認知度を高めることである。ネウボラは開設してまだ3年である。幅広い年齢にわたって子育てのサポート体制が整っているにもかかわらず、5歳以上の子どもを持つ親の6割はネウボラのことを知らないということであった。もう一つの課題は、ネウボラを今以上に“気軽に集まれる場所”にすることである。役所は目的があって初めて訪問する場所というイメージがあるが、ネウボラはその限りではない。困ったときに利用するという既成の概念を覆す場所であり、子育てママにとっては日々の心の拠り所にもなっている。神田さんの言葉を信じて一度足を踏み入れてみると新たな発見があるかもしれない。


市民の心に寄り添い安心をもたらす町、大東市。今回はとりわけ子育て支援について取材した。このほかにも出産に関する手厚い支援や保育施設への送迎補助等の制度がある。大都市は交通の便も商業施設も充実しているが、大東市には落ち着いた街並みで程よい田舎感がある。そんな温かみのある生活環境や手厚いサポート体制のもとでのびのびと子育てすることに強い魅力を感じた。

ネウボランドだいとう:https://www.city.daito.lg.jp/site/neuborando-daito/

 

大阪産業大学 経営学部 商学科 鈴木ゼミ 中野礼子

 

 

この記事はこちらの総合戦略に関する記事です

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